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多様なリテラシー

新しい「読み書き能力」──創造的思考をめざして
福澤先生は学問の在り方を説いて、学問には読書と精神の働き、そして「様々な工夫」が必要であると述べています。様々な工夫とは、「事物を視察すること(オブセルウェ—ション)」、事物の道理を推究して自分の説をつくること(リーゾニング)、加えて読書を重ね、議論や口頭発表を尽くして、初めて学問をする人と言うべし、と説明しています。つまり、受身の読みによる知識の蓄積では学問にはならず、批判的に精神を働かせて知識を取り入れること。能動的な「読み」の必要性を説いているのです。さらに知識を取り入れるだけでは十分ではなく、発表して世に問うこと「書くこと」が必要とも述べています。

現代に置き換えれば、多様なメディアを介して流れ込む文字・非文字の情報を批判的に取り入れ、事象を観察し課題を見い出し、推論を実証していくこと。その実証に必要な文献情報の収集と分析を行い、討論や発表を通じてさらに検証していく。場合によってはさらなる仮説の検証の入り口に立つことにもなるでしょう。学びとはこの循環を機能させることだと思います。

繰り返し問い続け修正をしていくことによって、考える力が深まり、創造的な考えを生み出すことにつながるのです。そのための方法論や教育プログラムの策定を研究し、実践しています。

これまでの実績

2011年10月5日 第一回(講師:不破有理)
リテラシー・セミナー:多様なリテラシーを目指して
「メディア・リテラシーとは:その定義、分析ツールと教授法、評価方法の可能性」
メディア・リテラシーの定義が日本において定まっていない状況を紹介し、教養研究センターがめざす教育のコンセプトにメディア・リテラシーの分析方法が適応できるか、センターとしてどのような多様なリテラシーを志向すべきかについて、ブレインストーミングの場として意見を交換しました。
2011年11月4日 第二回(講師:文学部 松浦良充)
リテラシー・セミナー:多様なリテラシーを目指して
「メディア・リテラシーとリベラルアーツ」
第一回に引き続き、教養研究センターが今後めざす教育およびその方法について、松浦先生の講義を起点として議論を展開しました。狭義のメディア・リテラシーである「情報リテラシー」では、多様なメディアを用いた教育方法とその課題への接近方法の議論と、他方、情報を批判的に判断し創造する考える力につなげるクリティカル・リテラシーをはぐくむカリキュラムを考案する議論にわかれました。この教育の手法を研究するにあたっては、2011年に開催された社会・地域連携と大学教育の在り方をめぐるセミナーから思いもかけず新しい発想を得ることができました。人的なつながりと学問手法のつながりから、教育手法への転用の可能性が開くセミナーを開催予定です。 
2012年6月(講師:倉部史記)
「ソーシャルメディアの現状と活用〜大学の価値を高める情報とは〜」
ソーシャルメディアの概要とソーシャルメディアを活用した学生募集の戦略について、さらに今後大学が活用できる様々な可能性についてご紹介がありました。日吉キャンパス内外の様々な部署の教職員のかたの参加があり、ソーシャルネットワークを広報や職場にまた教育に生かしたいという関心の高さがうかがえました。

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